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Q1.相続税は、いくらの財産からかかりますか?
- 相続税には、基礎控除という概念があります。まず一件の相続税に関しては、5,000万円と相続人1人につき1,000万円の基礎控除があります。
従って、相続人が妻と子供2人だとすると
5,000万円 + 1,000万円 × 3人=8,000万円になります。
この場合は、相続財産8,000万円までは、課税されません。
Q2.役員に対する賞与は、損金にならないと聞きましたが、本当でしょうか?
- 平成18年5月の会社法改正までは、役員の賞与は利益処分と考えていましたが、改正以降は損金経理を原則とすることになりました。現在、退職給与を除くと、役員給与は、@定期同額給与、A事前確定届出給与、B利益連動給与の3つになります。このうち、@定期同額給与は、通常の毎月支払われる役員給与に該当するものであり、B利益連動給与は、同族会社に該当しないことが要件なので、この質問の回答に当たるものは、A事前確定届出給与になります。
この事前確定届出給与とは、株主総会等で、決議をした日から1ケ月を経過した日までにこの届け出を提出することが要件となります。このときに次の株主総会までに支給する役員賞与をあらかじめ、決めることが出来、税務署に届け出を提出できれば、役員賞与を損金にすることが出来るのです。
Q3.社長の給与が損金に入らないという話を聞きましたが、どういう意味でしょうか?
- 平成18年4月1日以後開始する事業年度について特殊支配同族会社が業務を主宰する役員に対して支給する給与のうち給与所得控除額に相当する部分として計算される金額が損金に入りません。
特殊支配同族会社の要件
1.業務主宰役員(主として社長)とその同族関係者等が発行済株式の90%以上を保有する場合。
2.業務主宰役員(主として社長)とその同族関係者等が、実態を伴って経営に従事している役員の総数が過半数を占める場合。
この@とAの両方ともに該当する場合には、特殊支配同族会社になり、業務主宰役員の給与所得控除は、法人の損金から除外されます。ただし、下記の要件に該当する場合は、特殊支配同族会社に該当しても、業務主宰役員の給与所得控除は、法人の損金から除外されません。
1.当該事業年度の開始の日前3年以内に開始した事業年度の法人の所得金額と業務主宰役員に対して支給される役員給与の合計の3年間の平均額が、年1,600万円以下である場合のその事業年度
2.イの金額が年1,600万円超3,000万円以下であり、かつ、その平均額に占める業務主宰役員に対して支給する基準期間の給与の平均額の割合が50%以下である場合のその事業年度
参考1:損金に入らない給与所得控除額の早見表
給与収入金額 給与所得控除額
162.5万円以下 65万円
162.5万円超180万円以下 収入金額 × 40%
180万円超360万円以下 収入金額 × 30% + 18万円
360万円超660万円以下 収入金額 × 20% + 54万円
660万円超1000万円以下 収入金額 × 10% + 120万円
1000万円超 収入金額 × 5% + 170万円
参考2:制度導入の背景
これは、個人事業主がすべての所得に対して、所得税の課税を受けるのに対して、法人成りして、会社形態を取ると同じ収入にも関わらず、法人形態にして、給与所得としたほうが、かなり所得税の課税対象が少なくなるのです。たとえば、1,500万円の売り上げで、経費が500万円の個人事業主だと、1,500万円−500万円=1,000万円が所得税の課税対象になります。それに対して、同じ内容で法人になると法人売り上げが1,500万円で、経費が500万円、そして社長となった個人の給与が1,000万円になるので、1,500万円−500万円−1,000万円=0円で法人税の課税対象はゼロになります。そして、社長の給与1,000万円に対して、給与所得控除が220万円あるので、1,000万円−220万円=780万円が所得税の課税対象になります。その結果、個人事業よりも法人になったほうが、所得税の課税対象が220万円も少なくなるのです。